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Review E - 

Eastern Youth/Ed Harcourt/Eels/Elbow/The Electric Soft Parade/Elliott Smith/Embrace/The Enemy/Eugene Mcguinness

Eastern Youth
感受性応答セヨ
 EASTERN YOUTHを初めて聴いたのは「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」でした。やはりこれが彼らの作品の中ではベストだと思うのですが、今回の新作は「旅路ニ〜」と同じくらいよくできています。まず曲。前作「雲射抜ケ声」では、全体のレベルがややとっ散らかった印象を受けましたが、今回はどれもいい曲で、またバラエティに富んでいます。だから、聴いていて飽きない。
 話はずれますが、田舎のCDショップでは「ハードコア」の棚に置かれているバンドです。しかし、何かもったいないように思います。見た目は禅宗のお坊さんのような人たちですが、非常に透徹とした詩、激情的なメロディーを聴いたことのない人たちにぜひ聴いてほしい。
 おすすめ度★★★★(01/10/7)


Ed Harcourt
Here Be Monsters
 相互リンクしているKoroさんに教えていただいたアーティスト。初めてEdの歌声を聞いたのは、スミスの「Please,Please,Please,Let Me Get What I Want」のカバー。あの名曲のカバーということで、僕的には生半可なカバーじゃ許さないぞ、と思っていたわけです。しかしながら、これが素晴らしいものでした。ピアノの弾き語りで、場末のバーで歌っているような感じなですが、すごく味があって枯れ具合がすごくいいのです。また、Brian Wilsonの「Still I Dream Of It」もカバーしていると知り、すかさず買いました。
 エドの歌声はもちろんのこと、曲も素晴らしいです。かなりの美メロです。ホーンが効果的に使われていたりしますが、基本的にはピアノ一つで勝負できる曲が多いです。ドリーミーな曲あり、メロディアスなポップソングもありサウンド的には幅広さがありますが、とっちらかった印象を受けないのは、エドの歌にあると思います。つまりどんな曲でも彼が歌うことによって、不思議な統一感が生まれるのです。たぶんAqualungが好きな人は気に入ると思います。でも、歌声で一つの世界を作ってしまうあたりは、Aqualungよりも上かもしれません。美メロ好きなら要チェックの1枚かな。

おすすめ度★★★★(04/3/9)
いる

Eels
Blinking Lights and Other Revelations
 2枚組33曲というボリュームから最初は重苦しいものを想像していた。そしてその通りこのアルバムは聞き終わった後に重いものを残してくれる。ただその「重いもの」が何なのか。自分は未だに分からないし、分かろうという気持ちもあまりない。じゃあこのアルバム自体が非常に難解なものなのかというとそうではない。
 これだけのボリュームでありながら、1曲1曲が非常に丁寧に作られているという印象を受ける。聞くところに寄ると制作に7年かかったそうだが、それも頷けるくらいどの曲もクオリティーが高い。これまでサウンドスタイルにいろんなこだわりを見せてきたEだが、今作ではそのこだわりを捨て、素直にメロディーとの相性の良さを追求した形となっている。元々ソングライティングの力は評価されていたが、このアルバムを聴くとEがBeckやBadly Drawn Boy級のシンガー・ソングライター(これ死語ですか?)であることが分かる。本当に素晴らしい。ブルース、フォーク、エレクトロニカなどなどどんなスタイルであっても、曲のエッジの立ち方が半端ではない。
 ただ、先ほど述べたようにやはりすべてを聞き終えたときに、このアルバムのコンセプトみたいなものを感じるのだけど、僕にはよく分からない。日本盤を買えばよかったなとも思うのだけど、Eの心の闇のようなものが背景にあるような気がする。でも、そういうものが分からなくても充分楽しめる作品だと思う。

おすすめ度★★
★★☆(05/9/5)

Elbow
The Seldom Seen Kid
Surf’s-Up本国でマーキュリー・プライズ、ブリット・アワードを受賞したElbowの4th。これまでも作品を発表するたびに高い評価を受けてきたが、今作でその評価は頂点に達したのではないだろうか。と、本国ではそういう状況でありながら日本では無名に近い存在。普段、そんなことは全く気にしない僕であるが、日本盤が1年以上発売されなかったという事実はとうてい許し難い。いろいろと事情はあるのだろうが、もっとどうにかならないものか。

 で、肝心の今作であるが、今こういうロックをやっているバンドは意外と少ないのではないだろうか。ミドル〜スローを中心とした、叙情性が豊かで陰影のあるロック。非常に甘美なところを持ちながらも、過度にメロディアスにならない楽曲が並ぶ。そこに重なるのがロマンチシズムあふれるヴォーカリゼーション。マンチェスターのバンドであるが、ここまで耽美的なサウンドを奏でるのは同郷のバンドの中では珍しい方だろう。強いて言えばDovesあたりが近いか。

 個人的に好きなのが2曲目The Bones Of You。最近ではあまりお目にかかれない正統派ギターロックに男気漂う厚めのコーラスが良い具合にはまっている。また、1stシングルにもなったGrounds For Divorceは力強いサウンド、どっしりとしたビートの効いた曲。One Day Like ThisはEmbraceばりの合唱系で、このアルバムの中では少々濃い感じであるが、歌詞が泣ける。

 特に目新しいことをしようという意図が感じられないアルバムではある。しかし、このアルバムの素晴らしいところはしっかりと「光と陰」を描いていると言うことである。陰があっての光であり、光があっての陰。最近のロック作品にはどちらかに目を向けて、どちらかに目をつぶるという取捨選択がしばしなされるが、このアルバムはその両面をサウンドで再現することに成功している。

 また、そこに気負いも背伸びも感じられないのがすごい。自己顕示欲さえ感じない。そこが好みが分かれるところかもしれないが、そういうエゴがないロックサウンドも僕は好きである。盤石の体制ゆえにスリルを欠くところはあるが、実に味わい深いアルバムである。何度も聴くことをおすすめしたいアルバムだ。

おすすめ度★★★★(17/06/09)





 


The Electric Soft Parade
Holes In The Wall
 「マーキー・ムーン」テレビジョン、「ラディエイター」SFA、「カモンキッズ」ザ・ブー・ラドリーズ、「サーティーン」ティーンエイジ・ファンクラブ、「ディス・イズ・ハードコア」パルプ、「トランスミッション・フロム・サテライト・ハート」ザ・フレミング・リップス、実はこれ、彼らのフェイバリット・アルバムである。ジャケットの写真には、シックス・バイ・セヴン、シルヴァー・サンのポスターが貼ってある。きっと、ピーンときた人にはツボ押されまくりのチョイスであろう。そして僕もその一人だ。
 The Electric soft Paradeのデビューアルバム。バンド名に惹かれて買った。ジャケットからもっとサイケデリックなものを想像していたが、かなりポップである。上のアルバムから近いものをあげるとすると、ブー・ラドリーズが一番だ。ブーは曲はものすごくいいんだけど、スタイルで迷走し続けたバンドであった。「ジャイアント・ステップ」から「ウェイク・アップ」、そして「カモンキッズ」。見事にスタイルはバラバラだ。が彼らのアルバムではブーが試みた様々なスタイルが一枚にまとめられている。ギターノイズのサイケデリック、アコギのシンプルなアレンジ、そして組曲風のものもある。バラバラだが不思議ととっちらかった印象はない。エモーショナルなメロディがいっぱい詰まったアルバムであるというわけでかなりいい。UKではあまり話題になっていないようだけど、大いに盛り上がってほしいバンドである。
 おすすめ度★★★★☆(02/1/27)
The American Adventure
やるなぁ、ホワイト兄弟。ESPのセカンドアルバムは前作からサウンドプロダクションの面で格段の進歩を遂げた。前作「Hole In The Wall」はポップで素直なメロディーをプログレやサイケ、ソフトロックなどいろいろなフォーマットで鳴らそうとする、ちょっと強引でもありながら若さ故作ることのできたアルバムだったと思う。例えばシングルであった「Silent To The Dark」は開放感のあるメロディーを持った佳曲であるが、後半はプログレような組曲へとなだれ込んでいく。「ひねり」というよりは「偏屈さ」さえ感じられた。ただ、センスは本当にただならぬものを感じたし、僕は率直に「Next Boo」の一番手のバンドだと確信していた。そしてセカンド。Booがサウンドスタイルの面でアルバムごとに大きく振幅していたのに比べると、冒頭のスライド・ギターも前作の何でもありの傾向をそのまま受け継いだように思える。しかし、音のセンスはさらに洗練された印象を受けた。例えば2曲目「Bruxellisation」におけるギター。メロディーの甘美さを引き立てるすばらしい音色である。この1曲だけでもこのバンドが抜群のセンスの持ち主であることがわかると思う。個人的には前作と比べるとメロディーのポップさがやや減退しているのが残念であるが、それ以外の面ではすべてファースト以上。もっともっと評価されてほしいバンドである。
 おすすめ度★★★★(04/1/19
)

Elliott Smith
From A Basement On The Hill
 エリオット・スミスの遺作となった今作であるが、やはりこういう作品を冷静に受け止めるのは難しい。正直言うと、彼が生きていたならもっと完成されたものになっていただろうし、実際その完成ヴァージョンへの思いもある。これを完成させずして、何故彼は逝ってしまったのか。そのことがすごく惜しまれるくらいの作品となっているのだ。
 ドライに考えると彼のこれまでの作品から比べると散漫な印象を受ける。事実彼はこのアルバムを「ホワイト・アルバム」ととらえている点からも、まとめるというのではなく、今の自分の手の内をすべてさらけ出そうというコンセプトで作ったのだろう。ただそれでも、2人のプロデューサをつけたのだから、もう少しどうにかなったのではないかとも思う。中にはデモをそのまま収録したのではないかと思わせるものもある。メロディーは確かに一級品だが流麗なアレンジは施されず、あえてラフなまま仕上げてある。このごつごつした風合いがこのアルバムのトーンであるのだが、それでも彼の紡ぐメロディーは否応なく聴き手に語りかけてくる。今回購入したのが輸入盤で、歌詞など分からない僕にとっても、エリオットのメロディーは何かしらのことを僕に語りかけてくるのだ。彼の書くメロディーは確かに美しい。繊細で切ないものであると表現するのが適切なのだろう。しかしながら、僕が彼のメロディーから受け止めるものは逆に美しさや切なさとは少し違って、生活の様々な事象に存在する「痛み」のようなものだ。「Figure 8」「XO」のような過去の作品からも伝わってくるこの「痛み」。エリオットの死という事実がまたそれを増幅させるので、僕はこのアルバムとなかなか正面から向き合えずにいるのが事実だ。

 (05/1/23)


Embrace
Out Of Nothing
 Coldplayもクリス・マーティンが楽曲を提供したシングル「Gravity」で見事に復活を遂げたEmbrace。アルバムを重ねるごとにどんどん地味になっていったバンドだが、ここにきてかつての臆面無き「泣きメロ」が大復活を遂げている。アルバムの売り文句でよく使われる「泣きメロ」であるが、彼らの「泣きメロ」はとてつもなく高濃度なものだ。女の子がぽろりと流す涙ではなく、男が人目をはばからずおいおいと泣く涙である。1曲目「Ashes」からそのエンブレイス節が全開。2曲目「Gravity」はクリスが「ColdplayよりもEmbraceのほうが似合うから」という理由で提供されたらしいが、はっきり言うとこれはもろColdplayだ。これは悪い意味ではなく、Embraceの中では、抑えめなメロディー展開となっていて、過剰に盛り上がらなくともメロディーの美しさがすごく伝わってくる。3曲目「Someday」は「これぞEmbrace」というべき大合唱ソング。個人的にはこのアルバムの中で一番好きなナンバーだ。
 Embraceのこれまでの作品は素晴らしい曲ながらも、過剰に盛り上がるアレンジが時にくどさを生んでいたように思う。そこを今回のアルバムでは「Gravity」「Out Of Nothing」のようなシンプルなナンバーを所々に配することによってしっかり解消している。非常によいバランスのアルバムとなったと思う。メロディー的にもおそらく彼らの最高傑作。きっかけを作ってくれたクリス・マーティンに感謝。

 おすすめ度★★★★(04/11/26)


The Enemy
Music For the People

Surf’s-Up The Enemyの2nd。1stでは激情的に若さをぶつける、クラッシュの音が分厚くなったようなサウンドを展開していた彼ら。そういうストレートなサウンドだけではなく、しっかり耳に残るメロディーもあり、デビューアルバムとしては十分インパクトを与えることができたと思う。

 約2年のインターバルを経てドロップされたセカンド。1stの延長ではいけないという彼らの危機意識もあったのだろう。「Music For The People」という仰々しいタイトルであるが、聴けばこのタイトルが決して大げさなものではないことがわかる。それくらいThe Enemyの音楽性は前作に比べると大きく飛躍を遂げている。

 ギター中心だったサウンドは、ストリングスやキーボードが増え、音色豊かになった。そして、壮大なスケールを持った曲が増えた。たとえばBlurの「The Universe」のような感動的なシンガロング・チューンLast Goodbye。近年のOasisを彷彿とさせるネオ・サイケ、Silver Spoon。そして、度肝を抜かれたのがSing When You're In Love。この大陸的なナンバー、まるでブルース・スプリングスティーンのよう。正直ここまで音楽性の幅が広がるとは考えていなかった。

 いわゆるロックの巨人たちが作り出したビッグサウンド、それがもたらすカタルシス。それらを詰め込んだようなアルバムは、才能はもちろんのこと、若さ故の純粋な信仰がもたらした産物なのかもしれない。

 もう少し焦点化されたらという思いはあるが、手垢にまみれていないビッグサウンドをつくる才能は実に貴重だと思う。願わくば幅を広げすぎて、耳障りが良いだけの、どこぞのスタジアムバンドのようにはならないでほしい。

 おすすめ度★★★☆(02/05/09)



Eugene Mcguinness
Eugene Mcguinness

 UK出身、Eugene Mcguinnessのアルバム。実はこれ以上詳しいことは知らない。あと知ってることは、Dominoからのリリースということくらいだろうか。というわけで、バンドなのかソロなのかもわからないがおそらくソロなのだと思う。HPも無く、手がかりはMy Spaceくらいだが、偶然見た「Moscow State Circus」のPVがかっこよくて思わず買ってしまった1枚だ。
 アコギがかっこよくかき鳴らされ、朗々と時々調子はずれに歌われる「Rings Around Rosa」から始まり、モリッシーっぽい「fonz」、リードトラックでもある「Moscow State Circus」は90年代のブリット・ポップの影響を感じる1曲。「Not So Academic」はホンキートンクなピアノをフィーチャーしたポップス。といったように音楽性は割と幅広い。(たぶん)ソロである利点であろう「制約のなさ」を十分に生かしたアルバム構成になっている。
 特徴的なのが、たたみ掛けるというか縦横無尽に流れていくメロディーライン。激情的に高揚していくのではなく、曲の所々にツボとなるメロディーを配置することで、グルーヴを生み出していくという構造はArctic Monkeysを思わせる。メロディー主体で勝負するタイプではなく、リズムや歌い回しなど総合的なところで中毒性を生むタイプだと思う。
 こういう作り方をする場合、重要となるのはセンスだ。あまりにも作り込んでしまうと、その継ぎ目や装飾がうるさく思えてしまう。そういうところでは、彼はいいセンスを持っていると思う。時にシンプルに時に適度に遊び心を入れたりと、聴き手の心地よさみたいなものをよく知ったアレンジが多い。王道ではなくて、あくまで「小粋」なところをねらっているのだなという感じがする。
 非常にサクサクしているというか、独特の軽快さがあるアルバムだと思う。BeckともBadly Drawn Boyともまた違った、ロック・マエストロとしてどう成長していくのか楽しみでもある。

 おすすめ度★★★★(27/11/08)

Moscow State Circus



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