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Review G - 

George Harrison/Glasvegas/Going Underground/Gomez/Graham Coxon/Grandaddy/Grizzly Bear

GeorgeHarrison
Brainwashed
 ジョージがあの世に召されてから、1年とちょっと。つい最近のことのように感じていたのだけど、結構前の話です。死後なおも絶大な人気を誇るジョン・レノンから比べると、注目度は低いですが、今作はっきり言って素晴らしいです。
 「死期を悟った中制作された」というニュースを聞き、「ほんまかいな」と疑っていたのだが、これは本当ですね。とはいっても湿っぽさはなく、とくにラストの「Brainwashed」は「学校に洗脳された 奴らのやり方で洗脳された」と、とても死にゆく人が書く詩とは思えません。曲調もアルバムの中で一番ロックしています。それが、わざとらしさがなくてとてもみずみずしいのです。展開としては若干同じような曲が続くところもあるのですが、ジョージの独特のメロディーが味わえるということで、ジョージ好きにはたまらない一枚と言えるでしょう。
 難をいえば、プロデュースがジェフ・リンということで、彼はビートルズ関係に置いてとてもいい仕事をするのですが、安心して聞けるというか、展開が読めてしまうところです。ツボを知りすぎているというか、斬新さにはやや欠けてしまいます。また変わったプロデューサーであればもっと新鮮に、新たな魅力がアピールできたのではないかと思います。
 おすすめ度★★★☆(02/12/20)


Glasvegas
Glasvegas

 バンド名は出身のグラスゴーにかけているのだろうか?まだ、あまり情報がないのでわからないが、あのアラン・マッギーが大絶賛しているという新人バンド。

 轟音ノイズギターと甘美なメロディーが絡み合う、マイブラやジザメリの流れを汲むサウンド。しかし、シューゲイザーというよりは、歌ものの要素が強い印象。これはサウンドがしょぼいわけではなく、歌のメロディーと歌い回しがかなり強烈だから。シングル「Daddy's Gone」(下に貼っておきます)に代表されるように60年代ポップスの要素が入っていたり、時々「えぇーっ」って感じのコーラスが入る。メロディーはかなり80年代のテイストが強い。ポップめのポジティヴィティというか、朗々としている。そして、歌い回しがなんかアズテック・カメラを想起させる。総合するとアズテック・カメラ+初期TFCのような感じ。

 80年代に洗礼を受けた僕はかなり好きだけど、決して新しいタイプのバンドではないだけに、なぜここまで注目されているのかは正直わからない。あと、なんでピアノ「月光」をバックにしたポエムリーディングが入っているのかもわからない(かなり浮いている感が・・・)。それでも、足下を見つめているのではなく、しっかりと観客の方に向かって表現している。ためらいがないというか、音から並々ならぬ自信が感じられる。そこはすごいと思う。

 そして、個人的にはサウンドから伝わってくる「不器用さ」に好感を持った。手数の多いバンドではない。でも、それだけに、今後自分たちの持ちうる「武器」にさらなる磨きをかけてくると思う。器用なために、目新しさを追求してしまいあるべき姿を見失うバンドはたくさんいるが、GLASVEGASは大丈夫だろう。

おすすめ度★★★★(09/30/08)

Daddy's Gone



Going Underground
かよわきエナジー
 某人の薦めで聴いてみた。日本的な青春ロックとでもいえばいいのだろうか、日本語の語感や言葉の意味合いをせつなさ・やるせなさに上手く昇華している。疾走感のあるメロディもいいが、やはり歌詞にひかれるアルバムである。良質ながらもアルバムのトーンがやや単調になってしまったのが残念。もっともっといろいろな曲を書いてほしいし、きっとその力を持ち合わせているバンドだろう。
 青春の焦燥や苛立ちをぶちまけながら、それでも僕らは走っていくんだ。このアルバムはそんな彼らの進軍ラッパのようである。
 おすすめ度★★★(01/10/31)

Gomez
In Our Gun
 「あれ、こんな音だったっけ?」というのが最初の印象。オープニングでシングルカットされた「Shot Shot」はパブロック風。メロディーもキャッチーで今までのゴメスにはないパターンの曲だ。意外だが、今回はメロディーがビートルズっぽい曲が多い。また、パール・ジャムなんかを思わせる大陸的な曲もあったりして、明らかに彼らが新しいアプローチを模索しているのがわかる。前編を通して本当に聴きやすい。彼ら特有のヘンテコぶりはやや後退しながらも、「ブルースに対する現代の回答」ともいうべき彼らのアティチュードは健在だ。
 ただ、あえて言わせてもらえば、これではなにか「Beckの後追いバンド」のようにも感じてしまった。クオリティが高いのは誰もが認めるところだ。しかし、何かが足りない。聴きやすいし、メロディーもぐっと染みてくるのだが、揺さぶられるものがない。フィギュアスケートでいうと、大技はないけど、綺麗にまとめている村主章枝ってかんじ。何度コケてもトリプルアクセルに挑む恩田美栄の方がロック的なように、もっともっと冒険していいのではないかと思う。
ゴメスがゴメスであるために。
 おすすめ度★★★(02/03/24)


Graham Coxon
Happiness in Magazines
 正直言うと、グレアムのソロはファースト以来に買っていなかった。ファーストの印象はグレアム流のローファイ・ポップといった感じで、Blurとはあえて違う音楽性で勝負していこうという気概は感じられたが、それが残念ながらクオリティーにつながっていない感じがしていた。それ以降の作品は試聴はしていたが、どんどんメロディーから離れていったので、買おうとは思わなかった。今作、久しぶりに聞こうと思ったのは、キャッチーであるという前評判を受けてだ。確かに1曲目「Spectacular」から元気の良さとメロディーのキャッチーさが全開である。そして2曲目「No Good Time」はまさしくブリット・ポップで僕の好きなBlurの「modern life is rubbish」を彷彿とさせる、勢いのあるポップなナンバーである。これだけでもかなり満足であるが、この後もストリングスを使った叙情的なメロもあったりして、バラエティーもソロの中では一番だと思う。間違いなく一つ殻を破った会心作だ。もっと早くこういうのを作ってくれれば良かったのにと思った。本当はこういうのをやりたかったのだろうけど、やはりBlurの存在はグレアムにとって大きかったのだと思う。それ故苦しんできた感があったが、やっと外に発信する音楽を作ることが出来たのではないか。大人になった最近のBlurに満足できない人はこれを聞いたらいいと思うし、franz Ferdinandが好きな人もきっと気に入ると思う。
 おすすめ度★★★★(04/6/28)

The Spinning Top
Surf’s-Up Blurへ劇的復帰を果たしたGraham Coxonのソロ7作目。「もうそんなになるのか」と意外な多作ぶりに驚いたのだが、今回も創意に満ちたすばらしいアルバムを届けてくれた。

 今作はある男の一生を描いたコンセプトアルバムとなっている。そして、アコースティック・ギターを主体としたハンドメイドな作品となっている。一足先にリリースしたピーター・ドハーティーのソロアルバムにも全面参加していたグレアムであるが、そのピーターのソロもアコースティックなサウンドが主体であった。でも正直、グレアムのアコースティック・アルバムというのは最初どうもピンとこなかった。

 それは、僕の中のグレアム像は「ギターという楽器の表現力がいかに幅広いのかを証明し続けてきたアーティスト」だというところからきている。Blur時代を含め、ラフな手触りのものからポップな歌を聴かせるようになった最近のソロまで、多彩な音色を操ってきたグレアム。ギターという楽器の無尽蔵な可能性をいつも引き出していた彼のスタイルを考えると、アコースティック・ギターというのは少々縛りがあるような気がしたからだ。

 しかしながら、それは凡人の全くの杞憂であった。グレアムはこのアルバムでも見事にグレアムであった。優しいメロディー、フォーキーでブルージーなテイストの曲が増えたものの、グレアムのギターはいささかも曇ることなくきらめき続けている。アコギの音一つでも実にいろいろな顔を持って響いてくるのは彼の創作力のすごさの表れだろう。

 今作は、自分が最近よく聴くということで、こういうスタイルの曲が多いわけだが、ポップなメロディーは健在。柔らかなメロディーにぬくもりを感じるIn The Morningや、ロック色の強いDead Beesなどバラエティーにも富んでいる。また、グレアムの優しげなヴォーカルとこのサウンドの相性も実によい。

 決して派手さやグラマラスな魅力はないが、グレアムの誠実さとでも言うか、一つの音楽として非常に「確かなもの」を感じるアルバムである。この才能がまたBlurに帰ってきたことも大きいが、ソロとしての彼の活動もまだまだ続けてほしいのも本音である。

 おすすめ度★★★★(05/06/09)







Grandaddy
Sumday
 前作「ソフトウェア・スランプ」は、わびさびを感じさせるエレクトロニカと素晴らしいメロディーが結実した大傑作であった。観覧車が頂上から降りてくるときに、ゆっくりと眼下に広がる風景。降りていくにしたがってクリアになっていくような、そんな感じを音で体現していたバンドであった。とにかくメロディーとあのチープなシンセの相性が良く、彼らに出会って以降、そういった音を出すバンド(Mull Historical Societyなど)を好んで聴く時期があったが、やはり彼らは一歩抜きんでている感があった。
 今作は、メロディーは相変わらず素晴らしい。というか、ポップソングとしての完成度が今回はすごい。どの曲もシングルになりそうである。ただ完成度が高い故に、前作にあったようなアルバムの流れが今作にはないように思う。今作のように、ポップソングとしてのクオリティーが高いと、ひとつひとつの曲で世界が完結してしまっているので、やはり流れを作るのは難しくなってしまうだろう、数多のベスト盤がそうであるように。素晴らしすぎるのにも欠点があるということか。
おすすめ度★★★★(03/8/1)

Grizzly Bear
Veckatimest

Surf’s-Up  NYはブルックリン出身のGrizzly Bearの3rd。Radioheadの前座を務めていたこともあるらしく、かねてより新作を待ち望まれていた注目のバンドである。

 一聴した感じでは、ミドル〜スローな曲を中心としたソフト・ロックという印象を持ったのだが、聴けば聴くほど味わい深く、また違った側面を見せるというなかなかおもしろい作品である。

 アコギのフォーキーな調べから、トライバルなアンサンブルへと展開してゆくオープニングのSouthern Point。次のTwo Weeksはシンプルで美しい歌とピアノのリフ、絶妙なコーラスワークは単に「美しい」というよりは「荘厳」という表現の方が合う。1曲1曲の中で構成の振れ幅がすごく大きいのが特徴的。

メロディーはポップで美しいものが多いのだが、メロディーよりも幾重にも重ね塗られたバックトラックが秀逸。ストリングスやエレクトロなど様々な要素をセンス良く組み立てながら、聴いたことがあるようでない、どこか浮世離れしたような音的空間を生み出している。このサウンド全体に醸し出される神秘性は、あのFleet Foxesを彷彿とさせる。

 見る角度によって、時に開放的でありながら、箱庭的な内省さも見せるような万華鏡的サウンドスケープが個人的にはとてもツボ。

 そして、特筆すべきは歌詞。止まらない崩壊を続ける世界をコラージュしたようなその内容は、自分たちが直面している事態そのものだと気づかせてくれる。と同時に、ならば自分に何ができるのかを深く問いつめるようなところもある。答えがあるのかないのか、それさえもわからないのだけど。

さぁ、また始めよう
ぼくらは進んでいく 我が唯一の友人達よ

このひとつきりのチャンスに賭けるつもりだ
でも妥協は一切なし
他に残っていないから 試せる道は

さぁやるぞ
ぼくらは続けようとする しかしまたも

これ以上は無理
形をなさないまま物語は進んでいく
まるで ぼくらがそもそもそこにすらいなかったかのように

   Hold Still

おすすめ度★★★★(07/06/09)
 



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