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Review L - 

The Last Shadow Puppets/The Libertines/Longview/Longwave/Los Campesinos!/Low/Lowgold

The Last Shadow Puppets
The Age Of The Understatement
Arctic Monkeysのアレックス・ターナーが、The Rascalsのマイルズ・ケインと組んだユニット、The Last Shadow Puppetsの1st。ハイペースでリリースを続けてきたアレックスの趣味生が強い息抜きバンドだと最初は思っていた。が、そう片づけてしまうことのできない気合いの入った力作となっている。
 リバーブをガンガンに効かせたサウンドは、まさに60年代ブリティッシュロックそのもの。それでいて、過剰にドラマチックなストリングスやベタな歌メロが奇妙に絡んでくる。結果的にはどこかで聴いたことがありそうで、実際はなかなか無い個性的なアルバムに仕上がっている。
 ちょっとした西部劇のサントラのよう。歌詞が分からなくても、サウンドが見事にストーリーを描いている。音そのものがドラマを作る力が半端ではない。もちろんそれはArctic Monkeysで証明済みであるが。それはまた、アレックス・ターナーの心象風景とも重なる。日々の生活レベルでの感情のすれ違いや交わり、そこで起こるドラマをアレックスはどこかで醒めた視点で伝えようとする。そういう一種のユーモア感覚がもたらす「切れ味」はここでも冴えわたっている。

 おすすめ度★★★★(4/28/08)


The Libertines
The Libertines
 大絶賛された1stに僕はあまり感動しなかった。それなりに良さは分かるんだけど、「UKロックの救世主」みたいな言い方は全くピンとこなかったし、メロディーにもあまりグッと来るものがなかった。それでも、日本でのこの熱狂ぶりを見るとやはり無視できない存在ではあった。よってこの2ndを買ってみたわけだが、全然1stとは印象が違う。タイトだった演奏がかなりゆるめになっている。まぁ、バンドの今の状況を反映していたのかもしれないが、チープさがかえって痛々しいというのはよく分かる。僕も最初聞いたときは「あー、やっちまったな」くらいにしか思わなかった。しかし、聞き込むうちにこのアルバムが尋常ではないのが分かってきた。
 例えば1曲目「Can't Stand Me Now」。ピーターのヴォーカルはかなり危ういところを走っている。しかし、最後のブルースハープが流れるところで、なんか泣きそうになるのだ。何かもう圧倒的に切ない。それは、決してバンドがボロボロの様相を呈しているからなのではなく、崖っぷちにいる表現者のみに許される圧倒的な切実感によって、メロディーが鳴らされているからだ。
 メロディーははっきり言うとキャッチー度では前作には劣ると思う。しかし、今作には平坦なところをなぞりながら徐々に高揚させていくメロディーの曲が多い。僕はまさにあのsmithsと同質のものを感じた。決してドラマティックな展開じゃないのに、中毒性がある。smithsのトリビュートがあまりにもぱっとしないのは、あのメロディーがモリッシーとマーにしか許されないものであるからだと僕は思うのだが、リバの曲もピーターとカールのみが奏でる権利を持っているように思う。そういった特権性があのメロディーにはある。
 だからこのアルバムは、不完全なようであるが、彼らが曲を書き、プレイしていると言うだけで完全なのだと思う。上手く言えないがきっとそうなのだろうと思う。
 おすすめ度★★★★(04/10/19)


Longview
Mercury
 1曲目の「Further」イントロからして「あぁ、Travisだな・・・」とわかってしまうくらいメランコリーなメロディーがぎっしり詰まったアルバムである。ただ、サウンド的にはかつてのシューゲイザーなどの影響も感じられ、ギターのフィードバックがもたらすあの甘美なテイストが含まれているのが、Travisとは違うところかなと思う。ある掲示板ではDoves」に近い、とも言われていたが確かにそんな感じがする。ここのところ「TravisやColdplayが好きな人は・・・」といった文句で語られる作品は確かにいい線行っているんだけど、曲の出来にばらつきがあったり、テンションを維持できないものもたくさんあった。その点、Longviewはメロディー的にも粒がそろっていて、アルバムとしての質は高い。ただ、取り立てて新しい音というわけではなく、新鮮味には欠けると思う。それでも、思わず飛び込んでいきたくなるようなサウンドスケープは本当に見事である。個人的には大好きな音である。
 おすすめ度★★★★(04/2/20)
いる

Longwave
There's A Fire
 ジョン・レッキーのプロデュース。でも、アメリカのバンド。いわゆる正統派のギターロックである。前作はどちらかというとラフな手触りが特徴的だったが、今作は丹念に作られているという印象がある。その分、1曲1曲よりメロディーが際だって感じられるようになった。前作にも感じたColdplay,Travis直系の叙情性も、今作ではサイケっぽくしたり音響系のテイストを盛り込んだりしながら、より多用な形で表現されている。なんというか、自分たちのサウンドを今作である程度確立できたのではないかと思う。厳密に言えば「Doves風」[Flaming Lips風」と1曲1曲説明できるものが多いのは確か。でも完成度が高いのでそこが許せてしまう。
 ただ、個人的にはアルバム中唯一のガレージナンバー「Were not gonna crack」が一番好きである。もう解散した「Six By Seven風」のサイケデリアとパンキッシュさを内包したこのナンバーに僕はこのバンドの可能性を感じる。次はこの路線で一枚作ってはくれないだろうか、と思っている。

おすすめ度★★
★★(05/9/2)
Secrets Are Sinister

Surf’s Up  Longwaveの4枚目。前作「There's A Fire」も個人的には好きな作品であったが、今作でも変わらないかっこいいギターロックを届けてくれた。サイケデリック、シューゲイザー、彼らの音楽性を一言で表すのは難しいが、とにかく良質のギターロックであるということだけは言える。

 1曲目「Sirens In The Deep Sea」はイントロといい、ファルセットといいもろエモなのだが、前作でレーベルとの契約を解消された彼らが再び飛翔しようとしている宣言のようにもとれる。2曲目「No Direction 」では、ギターのダイナミズムから溢れ出る疾走感がたまらない。もともとキャッチーな曲が書けるバンドではあるが、この2曲に感じるのはメロディー面ではなくサウンド面でのキャッチーさだ。耳に馴染みやすいアレンジとでも言おうか。

 もちろんこの路線でずっと行くわけがなく、シューゲイザーファンにはたまらないであろうLife Is Wrong、メランコリックなメロディーとやや醒めたギターがDeath Cab For Cutieを思わせるThe Devi And The Lierなど、いろいろななタイプのギターロックを繰り出してくる。

 全体を通して聴くと、楽器から鳴らされる音の響きにすごく神経をとがらしているんじゃないかという印象を受けた。例えばSatellitesではこれでもかというくらいブンブンとベースが唸っているのだが、聴いていくうちにベースという楽器の持つ音色が曲の重要な一部であることに気づく。あの地を這うようなベースがだんだん癖になっていくのだ。

 そして、曲の並べ方が実に自然な感じがしてて良いなと感じた。ギターが唸り叫びを挙げるShining Hoursの後に叙情的なSecrets Are Sinisterみたいな曲をポンと入れてくる感じがすごく好きである。

 おすすめ度★★★★(16/12/08)

Shining Hours


Los Campesinos!
Hold On Now,Youngster...

 Los Campesinos!,スペイン語で「農民」という意味らしいが、このアルバムは、まさにそんな農民がかわいらしい武器を持って、めちゃくちゃに破壊していく「一揆」の様である。
 1曲目「Death To Los Campesinos!」を聴けば一目瞭然、彼らの武器とは瑞々しいメロディー、疾走感のあるサウンド。そして、ギターポップの見本市とでもいうように、サウンドの幅も広い。演奏力がないといわれるが、むしろそこをバンドの個性としてうまく昇華できているのは、センスの良さだろう。メンバー構成上のことでもあるが、男女混合でヴォーカルが調子外れに掛け合う感じが、妙にツボにはまる。前半はパワープレイで押しまくり、中盤からは変化を付けてじわじわとメロディーを広げていく。

 メロディーは超ポップでありながら、彼らが一貫して表現しているのは、今そこに訪れている「世界の終わり」の風景。何気ないようで、じわじわと蝕まれている僕らの日常を、彼らはまるでノートに書き殴るように歌う。そこでぶちまけられる不満や怒り。しかし、彼らは「何かを変えよう」と主張するわけではない。
 かれらがこの「一揆」を通して伝えたいのは「自分なりの武器を持ち、自分が光り輝く瞬間を手に入れよう」ということなんじゃないかと思う。これって、みんなが言うように、やっぱりパンクなんだと思う。

おすすめ度★★★★(4/26/08)

Death To Los Campesinos!

We Are Beautiful We Are Doomed

 Los Campesinos!なんとたった7ヶ月のインターバルでアルバムをドロップ。元々EPを作るつもりだったのが、あれよあれよという間に10曲集まってしまったとのこと。そういうところがまた彼ららしいような気もする。 で、その内容はというと、勢いだけで終わるようなものではなく、どの曲も実に彼らの個性がよく出た素晴らしくポップなアルバムに仕上がっている。相変わらずの高打率。アルバムの流れみたいなものは、確かにない。配列もやや乱暴に見えるところもある。しかしながらアルバム自体の勢いというか1曲目の初速が最後まで落ちない。
 闇雲なパワーというか、ある種の暴力性まで感じてしまうほど力が漲っている。かわいくて、パンキッシュで暴力性も十分。独特のロスキャンワールドは健在だ。
 ただ、その怒濤の勢いは1stにもあったもので、そういう意味ではロスキャンはデビューした頃から全く変わらない。「勝負のセカンド」という位置づけにはなく、1stを作り上げてからも一向に枯れないパワーを放出した結果が、ここまでのものを生み出したということだろう。よって、1stが好きな人は間違いなく気に入ると思う。変化しているとすると、強いて言えば、音色はやや増えたように感じる。
 このバンドの音楽を読み解くキーワードに「切迫感」があると思う。インタービューでもメンバーの口からたびたび「バンドも人生もいつ終わるかわからない」という趣旨の発言が出てくる。僕は、彼らの音楽から「今やるしかないんだ」というような切迫感を感じる。そして、この切迫感があるからこそ、あんなにドリーミーな彼らの音楽がとてもリアルに感じられるのだ。

 おすすめ度★★★★(29/10/08)

Ways To Make It Throuth The Wall


We Are Beautiful, We Are Doomed


Low
The Great Destroyer
 Low会心の一作。そして、今年のBest Album当確と言ってもいいくらい素晴らしい作品。やはりこの作品は以前のものと比較して語られるだろうが、基本的に歌われているテーマは変わらないだろう。これまでも随所に歌心が見え隠れしていたバンドであったが、今作ではその「歌」がすごくいい。これは単純に「ポップになった」「メロディーが前面に出るようになった」ということではなく、伝えたいものがよりエモーショナルに表現されていると言うようにとらえて欲しい。つまり、「怒り」や「切なさ」といったものがよりダイレクトに表現されているのだ。
 サウンド的にはメロディーの研ぎ澄まされ具合は過去最高だろう。これまでのLowを踏襲した丁寧にサウンド構築されたものもあれば、これまでになくワイルドな作風のものもある。ただ、今回のアルバムでは特に後者型の曲が生きている。というのは、これらのナンバーがLowの世界観をすごくストレートに表現しているからだ。
 彼らの作品には一貫して、不安や混乱が渦を巻いている。それをこれまではサイケともグランジとも言えない構築美的なサウンドで表現してきた。声高に叫ぶ部分をあえてそうせず、サウンド面ではジグソーパズルで例えると、あえて1,2ピースを外して、空いたところは聴き手の想像力で埋めて完成させて欲しい、彼らはそんな風にこれまで作品を作ってきたように思える。それが今回はそうしないで、恐ろしく美しい「完成品」を提示しているように感じる。この変化は、彼らの表現したい社会に存在する不安や混乱がより膨らんできているからではないかと思う。彼らのジグソーパズルのピースはもはや手元からあふれそうになっているのだ。そのとめどなさがダイレクトに伝わってくるし、その分美しさが際だっているのはいささか皮肉のようにも思えるのだが。もっともっと評価されるべきバンドでしょう。
 
おすすめ度★★★★★
(05/2/7)

Lowgold
Welcome To Winners
 あまり話題になっていないが、Darren Ford率いるLowgoldの2nd。前作もTravisやColdplayが好きな人たちの中で高い評価を集めていたようで、僕はそのころ知らなかったので、2ndが初体験となります。1曲目「Quiet Times」はアコースティックなサウンドで物憂げに歌っていますが、2曲目「We Don't Have Much Time」(名曲!)から、メランコリックなメロディーと余分なものを省いた抑えめの演奏が一気に花開きます。全体的にアコースティックでやや暗めのものと、メランコリックなアンサンブルが交互に織りなされているといった感じです。曲のメランコリックさはTravisやColdPlayにも引けをとりません。ツボを押さえた曲をかけるいいバンドです。注文をつけるとすれば、曲によってはアレンジが今ひとつのものが含まれていると言うことです。せっかくグッドメロディーなのだから、この辺をクリアすれば今後「The Man Who」「ParaChutes」のような作品を生み出すになる可能性も。
 おすすめ度★★★★(03/1/13)

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