Longwaveの4枚目。前作「There's A Fire」も個人的には好きな作品であったが、今作でも変わらないかっこいいギターロックを届けてくれた。サイケデリック、シューゲイザー、彼らの音楽性を一言で表すのは難しいが、とにかく良質のギターロックであるということだけは言える。
1曲目「Sirens
In The Deep
Sea」はイントロといい、ファルセットといいもろエモなのだが、前作でレーベルとの契約を解消された彼らが再び飛翔しようとしている宣言のようにもとれる。2曲目「No
Direction
」では、ギターのダイナミズムから溢れ出る疾走感がたまらない。もともとキャッチーな曲が書けるバンドではあるが、この2曲に感じるのはメロディー面ではなくサウンド面でのキャッチーさだ。耳に馴染みやすいアレンジとでも言おうか。
もちろんこの路線でずっと行くわけがなく、シューゲイザーファンにはたまらないであろうLife
Is Wrong、メランコリックなメロディーとやや醒めたギターがDeath Cab For Cutieを思わせるThe Devi And The
Lierなど、いろいろななタイプのギターロックを繰り出してくる。
全体を通して聴くと、楽器から鳴らされる音の響きにすごく神経をとがらしているんじゃないかという印象を受けた。例えばSatellitesではこれでもかというくらいブンブンとベースが唸っているのだが、聴いていくうちにベースという楽器の持つ音色が曲の重要な一部であることに気づく。あの地を這うようなベースがだんだん癖になっていくのだ。
そして、曲の並べ方が実に自然な感じがしてて良いなと感じた。ギターが唸り叫びを挙げるShining
Hoursの後に叙情的なSecrets Are
Sinisterみたいな曲をポンと入れてくる感じがすごく好きである。
おすすめ度★★★★(16/12/08)
Shining
Hours