Longwaveの4枚目。前作「There's A Fire」も個人的には好きな作品であったが、今作でも変わらないかっこいいギターロックを届けてくれた。サイケデリック、シューゲイザー、彼らの音楽性を一言で表すのは難しいが、とにかく良質のギターロックであるということだけは言える。
1曲目「Sirens
In The Deep
Sea」はイントロといい、ファルセットといいもろエモなのだが、前作でレーベルとの契約を解消された彼らが再び飛翔しようとしている宣言のようにもとれる。2曲目「No
Direction
」では、ギターのダイナミズムから溢れ出る疾走感がたまらない。もともとキャッチーな曲が書けるバンドではあるが、この2曲に感じるのはメロディー面ではなくサウンド面でのキャッチーさだ。耳に馴染みやすいアレンジとでも言おうか。
もちろんこの路線でずっと行くわけがなく、シューゲイザーファンにはたまらないであろうLife
Is Wrong、メランコリックなメロディーとやや醒めたギターがDeath Cab For Cutieを思わせるThe Devi And The
Lierなど、いろいろななタイプのギターロックを繰り出してくる。
全体を通して聴くと、楽器から鳴らされる音の響きにすごく神経をとがらしているんじゃないかという印象を受けた。例えばSatellitesではこれでもかというくらいブンブンとベースが唸っているのだが、聴いていくうちにベースという楽器の持つ音色が曲の重要な一部であることに気づく。あの地を這うようなベースがだんだん癖になっていくのだ。
そして、曲の並べ方が実に自然な感じがしてて良いなと感じた。ギターが唸り叫びを挙げるShining
Hoursの後に叙情的なSecrets Are
Sinisterみたいな曲をポンと入れてくる感じがすごく好きである。
おすすめ度★★★★(16/12/08)
Shining
Hours

大絶賛された1stに僕はあまり感動しなかった。それなりに良さは分かるんだけど、「UKロックの救世主」みたいな言い方は全くピンとこなかったし、メロディーにもあまりグッと来るものがなかった。それでも、日本でのこの熱狂ぶりを見るとやはり無視できない存在ではあった。よってこの2ndを買ってみたわけだが、全然1stとは印象が違う。タイトだった演奏がかなりゆるめになっている。まぁ、バンドの今の状況を反映していたのかもしれないが、チープさがかえって痛々しいというのはよく分かる。僕も最初聞いたときは「あー、やっちまったな」くらいにしか思わなかった。しかし、聞き込むうちにこのアルバムが尋常ではないのが分かってきた。


Low会心の一作。そして、今年のBest Album当確と言ってもいいくらい素晴らしい作品。やはりこの作品は以前のものと比較して語られるだろうが、基本的に歌われているテーマは変わらないだろう。これまでも随所に歌心が見え隠れしていたバンドであったが、今作ではその「歌」がすごくいい。これは単純に「ポップになった」「メロディーが前面に出るようになった」ということではなく、伝えたいものがよりエモーショナルに表現されていると言うようにとらえて欲しい。つまり、「怒り」や「切なさ」といったものがよりダイレクトに表現されているのだ。
あまり話題になっていないが、Darren Ford率いるLowgoldの2nd。前作もTravisやColdplayが好きな人たちの中で高い評価を集めていたようで、僕はそのころ知らなかったので、2ndが初体験となります。1曲目「Quiet
Times」はアコースティックなサウンドで物憂げに歌っていますが、2曲目「We Don't Have Much Time」(名曲!)から、メランコリックなメロディーと余分なものを省いた抑えめの演奏が一気に花開きます。全体的にアコースティックでやや暗めのものと、メランコリックなアンサンブルが交互に織りなされているといった感じです。曲のメランコリックさはTravisやColdPlayにも引けをとりません。ツボを押さえた曲をかけるいいバンドです。注文をつけるとすれば、曲によってはアレンジが今ひとつのものが含まれていると言うことです。せっかくグッドメロディーなのだから、この辺をクリアすれば今後「The
Man Who」「ParaChutes」のような作品を生み出すになる可能性も。