The Pains Of Being Pure At Heartは2007年初頭に結成され、ニューヨーク・ブルックリンで活動している4人組。
紹介の言葉も、ネオアコ、ギタポ、アノラック、シューゲイザー・・・と魅力的な物が並ぶ。そして、実際その通りの音というか甘く心地よいメロディーに、ギターのキラー・フレーズという限りなくかつてのUKギターロック王道の音である。この手の音が好きな人なら、間違いなく引きつけられる音だろう。男女混合のツインヴォーカルであるが、どちらかというと男性ヴォーカル主導で、女性の方はコーラスに近い。
ノイジーなギターに、メロディアスな歌という構図は全く珍しいものではなく、多くのフォロワーを生んできたフォーマットでもある。昨年ブレイクしたGlasvegasもそうであるが、今の若い人たちはこういった音に抵抗無く取り組めるというか、素直に自分たちの音として表現しているように思う。確かに「どこかで聴いたような」曲ばかり並んでいるという印象は拭えないが、不思議とつっこみたくならないのは、音のまっすぐさが際だっているからである。まっすぐという言い方はいささか抽象的かもしれないが、「狙い」が主張しすぎていない感じが好印象につながっているのだと思う。
辛口で知られるPitchfolkで8.4を獲得したことが売りとなっているところもあるのだが、そういう価値観を超えたところでこの音は鳴っている。この「きらめき」をこれからも失わないでいてほしい。
おすすめ度★★★★(26/04/09)