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Review R - 

The Radio Dept./Radiohead/Ra Ra Riot/Red Hot Chilli Peppers/R.E.M./Revolvo/Richard Ashcroft/Ride/Royksopp
The Radio Dept.
Lesser Matters
Radioheadのファンサイト「There There」の管理人キューさんに教えてもらったスウェーデンのバンド。ネオアコ系のポップなメロディーをシューゲイザーのようなリバーブ・ディレイのかかったギターノイズで味付け、というのがこのバンドの基本でしょう。マイブラ、ライド、スロウダイヴのようなたゆたう甘美感はしっかり出されていて、確かにシューゲイザー好きにはツボの一枚であると思う。ただ、これらのシューゲイザーバンドの音を聞いていると、ヘッドホンにつながれた自分をノイズと甘いメロディーの波に乗せて、途方もないところに連れていかれるのではないかという気分にさせられることがある。つまり日常的な空間から非日常的な音空間へと引きずり込まれるような感覚に襲われるのだ。この一種病的な感覚こそシューゲイザーに自分がはまる理由なのではと思う。それに比べると、このThe Radio Deptにはそのような感覚はやや希薄である。これは彼らの音が良くないという意味ではなくて、彼らはシューゲイザーの影響を受けながらも、重きを「歌」においているような気がするからである。だから、それらのバンドよりも、The Radio Deptの歌はすごく耳に残る(ポップでリリカルな良い曲を書くんです。また、リフレインの使い方も上手い))。ギターノイズの残響ではなく、あくまでメロディーが残るのである。だから、シューゲイザーとは違う意味での中毒性があると思う。

 おすすめ度★★★★(04/12/2)


Radiohead
Hail To The Thief
 新作を出すごとに好きになっていく。レディオヘッドとは僕にとってそういう存在である。「KID A」には本当に完膚無きまでに叩きのめされたし、「アムニージアック」では「KID A」で築かれた世界がさらにパラノイア的な拡がりを見せ、何かこうまるっきり手に負えないとでもいうか、ため息すら出ないような圧倒的な世界観を提示した。聴き手の想像力を遙かに超えた音を期待できる唯一無二の存在としてリスナーの期待も大きい分、批判を受けやすいのも事実。特にギターサウンドの復活を望む声が多い。僕も確かに「The Bends」「OK.COMPUTER」のような、狂おしいギターサウンドには大きな魅力を感じていたが、自分の中では「それを望むのはやはり野暮だろう」と感じていた。というのは、レディオヘッドそういった聴き手の単純な欲求や想像に落ち着くような表現者ではないという確信があったからだ。
 聴くとイントロからすでにギターロックの様相を感じさせるが、「OK.COMPUTER」以前と比較すると全体的には今回もギターは割と控えめだと思う。しかしまぁ、そんなことはどうでもいいと思うくらい、曲がいい。やはりなんと言っても「いい曲が書ける」という点を大きく評価してもらいたいなと思う。いわゆる、「キャッチー」だとか「メロディアス」というのとは違う、ギリギリのところで紡ぎ出される奇跡のメロディライン。これが健在なだけでもすごいことだと思う。あえて注文をつけるとすれば、今作は割に「親しみやすい」感じが出てしまっているので、アルバム全体にこれまでのような緊張感が感じられないのが残念である。そこをクリアすれば文句なしであった。でも、このアルバム好きです。
 おすすめ度★★★★☆(03/6/30)


Ra Ra Riot
The Rhumb Line

 NYの新人バンド、Ra Ra Riotの1st。
 スタイル的には、ストリングスをキーとしたモダンロックといった感じ。ややウエットなメロディーが多く、アーケイド・ファイアと比較されるのもわかる。
 かなりいろいろなタイプの曲が書けるのがこのバンドの強み。壮大なメロディー展開を見せる「Ghost Under Rocks」、ストリングスだけでなくシンセも跳ね回るパンキッシュな「Too Too Too Fast」、柔らかな牧歌的ソング「Can You Tell」など、実に幅広い。それでも、ストリングスを基調としているせいか、アルバムを通すと割とまとまっているように感じられる。そして、どの曲も最終的にエモーショナルに発展していく感じも、なかなかいい。
 ただ、アルバム全体としてはまだまだ完成しているとは言い難い。高いポテンシャルを生かし切れていないようにも思える。それは、これだけエモーショナルなメロディー展開でありながら、もう一つ聴き手を揺さぶるほどの力が感じられないのだ。こういうものをやりたい、という強い方向性みたいなものを作品でもっと主張した方が、ガツンとくるものになったのではないかと思う。個人的には、ストリングスを武器にしてもっともっと過剰なくらいエモーショナルな面を出してほしいと思う。
 でも、あえて過剰にならないところで終わるというのもクールなのかな。とにかく、これからが楽しみなバンドです。

おすすめ度★★★☆(25/10/08)

Ghost Under Rocks

Dying Is Fine

Can You Tell


Red Hot Chilli Peppers
By The Way
 やはり、ジョン・フルシャンテという男は素晴らしい。ジョンが復帰しての2作目。前作「カリフォルニケイション」は以前の彼らからは想像できないほどの達観したプロダクションによる作品であった。バンド固有の熱っぽいグルーヴ、ファンクネスを若干押さえたかわりに、メロディーがぐっと際だち、非常にメロウな(テーマは暗いが)作品となった。個人的にはR.E.M.の「OUT OF TIME」と同じ感触を覚えた。今作はその延長線上とも言えるが、メロウ度はぐっと上がった。1曲目「BY THE WAY」。このイントロを聴いて何も感じない人は、おそらくこの作品を理解することはできないだろう。シンプルであるが、力強いリフから静かに歌い出すアンソニー、そして怒濤のファンクへとなだれ込む展開。まさに一分の隙もない。このあとも、素晴らしいメロディーの曲が続き、最後まで飽きない。落ち着き過ぎとも言えなくはないが、完璧なアルバムであると思う。ただ、昔のレッチリが好きな人には今回も辛い展開だろう。ああいう音を鳴らすバンドもそうそういないだけに。
 おすすめ度★★★★☆(02/8/16)

R.E.M.
Around The Sun
 雑誌のインタービューでマイケルは「これはR.E.M.のハードコアアルバムであり、政治的な作品。なおかつ最もカオティックなアルバム」と語っていた。しかしながら、聞く人によってこの作品を説明する言葉はバラバラであると思う。サウンド的にはある意味前作「Reveal」の延長線上とも言えなくはない。かつてのラウドさは影を潜め、過剰な音の装飾もなく、シンプルな演奏と素朴ながら力強いメロディーが軸となっている。ただ、華やかさという意味では前作より明らかに後退しているし、佳曲が多さは相変わらずだが、メロディーも以前ほどのわかりやすさがない。そういう意味ではなかなか特徴を見いだせないところもある。
 ということは、このアルバムが前作よりも落ちるのかというとそうではなくて、むしろ前作のポップネスが取り払われた分、非常に生身のR.E.M.を感じることのできる素晴らしい作品である。このアルバムは、R.E.M.の実像である。強くて凛とした美しさを持った実像である。これだけ自分たちの本質、サウンドや思想をむき出しに出来ること自体がもうすごい。これはやはり、もう20年以上生き抜いてきたバンドにこそなせる技のような気がする。トム・ヨークやカート・コバーンもリスペクトする理由はここにあるような気がする。スタイルこそ違えど、それは表現者にとっては理想郷であるのかもしれない。
 世界で起こっている様々な事件、問題、それに苦しんでいる人々。R.E.M.はそれら全てを絶対に拒まない。ありのままを見つめ、そして抱きしめる。訳詞など読まなくても、この作品の美しさやたおやかさから、それは十分に伝わってくる。それだけ研ぎ澄まされた感性を持ち表現できる力と才能を持っているということ自体がすごいし、なおかつ未だにラジカルなところが驚きである。ミュージシャンでもない僕でさえ、何か彼らに嫉妬してしまいそうである。来日公演に行く人、楽しんでこいよ!
 

 おすすめ度★★★★☆(04/11/7)

Accelerate

 待ちに待ったR.E.M.の新作。28年というキャリアを誇る彼ら。とっくにシーンから遠ざかってもおかしくないほどであるのに、未だロック・シーンの一つの指針であることに驚きを覚えてしまう。

 そしてこのアルバム、かねてから噂だったように、全体的にラウドな作品となっている。1曲がだいたい2,3分で、トータルでも35分ほど。まさに、あっという間なので心して聴いてほしい。「ライブの良さや勢いを再現したアルバム」とも言われているが、言い得て妙だと思う。 オープニング「Living Well Is The Best Revenge」からラウドなギターがギアを入れ、グイグイと引っ張っていく。3曲目「Supernatural Superserious」はR.E.M.の真骨頂とも言うべき、じわりと広がりを見せるサビが特徴的。アルバムに必ず1曲は入っている、必殺の名曲だ。 

 4曲目「Hollow Man」から、若干シフトダウン。9曲目ラウドな曲を挟みながらも、ミドルテンポな曲が増えていく。その中では、個人的に「Until The Day Is Done」という曲が好き。「Automatic For The People」の「Sweetness Follows」を思わせる、元祖オルタナ・カントリーというべきクラシカルながらも内省的なトーンを持った1曲。新しさを感じさせる曲が多い中で、結果的に自分は「昔ながら」なところに魅力を感じたりしてしまう。これはやはり悪しきファンなのでしょうか?


 10曲目「Horse To Water」から、再びトップギアに。ラストの「I'm Gonna DJ」は「世界の終わりでDJするぜ」と高らかに宣言する、彼らのリスタートを代表する1曲だと言えるだろう。マイケル・スタイプ自体、自分がそのことを言わなければならないという強い自覚を持っているのだと思う。つまりは、それこそがR.E.M.のR.E.M.たる所以であると思うのだ。「世界の終わり」はもうそこまで来ているのかもしれない。それでも、自分の生き方や思想は少しも揺らぐことはない。自分自身であり続けること以外に何もないということを、このシンプルなロックソングは教えてくれる。それは簡単なようで、ものすごく難しいことなのだ。

 彼ら自身だって、それをさらりとやってのけてきたわけではないだろう。ぶつかり、苦しみながらも、前を向いてきた結果がここにあるのだろう。正直、最高傑作とは言えないが、これだけのキャリアを重ねながら、まさに「今」の音を作り上げる、彼らの底力には本当に恐れ入る。そして、どうしようもなく憧れてしまう。本当に大好きなバンドだ!

おすすめ度★★★★(08/4/3)
 Supernatural Superserious


Revolvo
Revolvo
もう解散してしまったが、Atomic Swingや一時期スウェディッシュ・ポップという言葉が生まれたように、スウェーデンという国はいいセンスを持った人たちが多い。イギリスやアメリカのアーティストがなかなか手が出せないところを、思いっきり自由にやってしまうようなところがある。わかりやすく言えば「〜風」と呼ばれるのを恐れないところがある、と言えばいいか。
 スウェーデンの「リボルボ」というバンド。タワーレコードの「エモ」のコーナーにあって、普段なら「エモ」のコーナーには見向きもしないのだけど、「エモとエレクトロニカの融合」「フレミング・リップスのセンス」などのコピーについ惹かれて買ってしまった。フレミング・リップスはいかがと思うが、なかなかおもしろいセンスをしているバンドである。メロディーももろエモかなというのもあれば、大陸的なミディアムナンバー、ブリティッシュ直系の泣きメロと幅広く、器用さを感じさせる。また、ストリングスや電子音が意表をついたところで挿入されたりなど、なかなか一筋縄ではいかないところもある。Electric soft Paradeのような、自分たちの好きなバンドのテイストをガンガン盛り込むバンドであり、これからが期待できる。
 おすすめ度★★★★(02/1/10)


Richard Ashcroft
Human Conditions
 前作は見事に期待を裏切ってくれたリチャード。もちろん悪い意味で。擁護する人もいるがやはりあれは失敗作であったとぼくは断言したい。これがあの「ビター・スゥイートシンフォニー」「ドラッグス・ドント・ワーク」と同一線上に並ぶとはとても思えなかった。もちろんリチャードも意図的にねらっている部分もあったとは思うが、ヴァーヴに受けた感動から比べると余りにも寂しかった。雑誌等では次作もかなり愛に溢れたスゥイートな作品となるという感じで取り上げられていた。
 そんな中「チェック・ザ・ミーニング」を初めて聞いた時に思った。「あれ、ちょっと違わない?」静かな曲調、ストリングスとリチャードお得意のパターンであるが。なにか前作とは響き方が違う。リチャードのテンションがみなぎっており、曲全体にスリリングな感触をもたらしているのだ。どうも僕はリチャードの言う「愛」を勘違いしていたようだ。どうしても前作の「恋人とイチャイチャ」する感じを連想してしまっていたのだが、今回はスケール・アップしたもっと大きい愛であるような気がする。「様々な愛があるんだよ」というのがアルバムのテーマとなっているような、そんな感じである。
 「チェック・ザ・ミーニング」以外にも、いいナンバーが多い。テンション的にヴァーヴ時代を彷彿とさせる部分があり、それがアルバムにいい緊張感をもたらしている。静かな曲が多いが前作にない重厚さがあり、真摯にロックと向き合っているリチャードが堪能できる作品だと思う。
 個人的にうれしいのがブライアン・ウィルソンとの競演である。コーラス参加だけであるが、リチャードがブライアンを必要としたこと、それだけでうれしい。
 おすすめ度★★★★(02/12/09)


Ride
Waves
 Rideが1990年から94年にかけてBBCラジオ出演時のセッションが納められた1枚。初期の名曲「Like A Daydream」で幕を開ける今作は、前半はセッションという状況がもたらす「やさぐれた」演奏とでも言うのか、とにかくバンドの勢いを感じる構成になっている。そして後半からは「Carnival Of Light」あたりからの落ち着いたサイケデリックを醸しだしつつ、最後はまるでTFCかと思うくらいギタポな「I Don't Know Where It Comes From」で終わる。1st以降は変化していくサウンドスタイルに批判的な声が多かったが、こうして聴くと後期の曲もそんなに悪くはない。とはいえ個人的には頭から3曲目「Perfect Time」までが、このアルバムのハイライトであると思う。というくらい、この3曲は素晴らしい。
 おすすめ度
★★★(03/10/29)

Royksopp
Junior

Surf’s Up ノルウェーのエレクトロユニット、ロイクソップのニューアルバム。通算3枚目となる「Junior」であるが、この後に「senior」という新作のリリースを控えているという。タイトルから予想されるように、「Junior」と同時期に制作されながら、違った側面を持つアルバムのようである。

で、この「Junior」であるが、全体的に音は非常にポップで歌メロが立ったものが多い。そして女性ヴォーカルをフィーチャーしたものが半分を占める。なので曲単位で聴くと、どこかの女性ポップアーティストの曲なのかと思ってしまう。エレクトロ的ではあるが、歌メロの完成度の高さからどちらかというとポップソングとしての機能性を持った曲が多いように思う。

ただ、それだけであれば自分の食指が動くわけがない。自分にとってこのアルバムの魅力的なところは、バックトラックの大胆さである。

例えばThe Girl And The Robotは「ぶっちゃけ、もろYMOではないですか」というくらい、オリエンテッドなシンセ音が鳴らされている。この「やりすぎ」一歩手前な感じ。このスレスレ感が非常に心地よいのだ。全体的にハッピーなムードを持った曲が多いのだが、そういう大胆なアレンジによって、その裏にある悲哀をうまく表現していると思う。アルバムを聴き終わった後に感じる不思議とメランコリックな気持ちは、彼らの狙っているところのように見える。

個人的には歌のないものが好みであるので、タイトルそのまんまのリードトラック、Happy Up Hereやアルバムの中でダークなテイストを持つSilver Cruiser、ストリングスが効いた壮大なナンバーRoyksopp Foreverが好き。歌入りでは前述のThe Girl And The Robot、ちょっとひねた感じのIt's What I Wantがいい。
おすすめ度★★★☆(12/04/09)






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