Van Sheはオーストラリアのバンド。本国ではVan She Techという名でDJもしている。タワレコでは「ニュー・オーダーを思わせる」と書いてあったので、思わず購入した。で、一聴した感想はいわゆるはやりのシンセロックではあるのだが、Killersからグラマラスなテイストを抜き、ニュー・ウェーヴテイストを少し加えた感じ。ジザメリを思わせるような甘美なギターサウンドも所々に見られ、ギターロックファンにも大いにアピールできる作品だと思う。
80年代を思わせるメロディーのわかりやすさと、仄暗いところからグイグイと広がりを見せるスペイシーなサウンドがこのバンドの魅力。また、DJをしているというだけあって、ブレイクの入れ方などは実に上手いし、自分たちの音楽的バックボーンを違和感なく昇華させているセンスは見事だ
アルバムの構成からいくと、KellyやStrangersのようなポップ調のものが多い中、個人的にはIt Could Be The Same
のような後半ギターが暴れる激情型のナンバーがかっこいいと思った。もっとこういうテイストのナンバーが多かったら好みではあるが、明らかにトレンドではない。今の時代において、すごく個性的かというとそうは言えないのだが、全体的な楽曲のクオリティーの高さは間違いのないところ。
そして、聴き終えた後の清涼感は癖になるかもしれない。サイダーみたいなロックですね。
おすすめ度★★★☆(24/02/09)