Column - 

Fuji Rock Festival 05

朝6:00起床。もっと寝ていたいんだけど、テントの中が激暑。テントから出て、今日一日のスケジュールについて考える。すると、午前中は全然見たい物がない。午後のLongcutくらいに間に合えばいいかなと思い、思い切って風呂に行くことに決定。「富士の湯」は世界一汚い温泉だと言うし、近くにも入れるところはあるらしいのだけど、昼食のことを考え、越後湯沢駅まで行くことに。そして、駅の中にある「酒風呂」に入りました。僕のふくらはぎと腕は、絶叫しそうなくらい(実際絶叫しました。一人だったし)痛みましたが、「本当にロックフェスに来ているのか」というくらいさっぱりしました。そのまま駅で昼食を取り、またシャトルバスで会場へ戻りました。

 レッド・マーキーのLongcutをちょこっとだけ聞いて、とりあえず最初の目的、Tokyo No1. Soul Setを見に、フィールド・オヴ・ヘブンへ。しかし、グリーンあたりから雨がポツポツと。「えっ、コート持ってきていないぞ」それでもすぐに止むと思って足を進めましたが雨脚は強くなる一方。「チクショー」もうすぐヘブンというところで、我が軍隊は退却しました。まぁ、このリベンジはライジング・サンで。

 で、結局グリーンのHigh-Lowsからとなりました。High-Lowsはなんか毎年見ているような気がするけど、いつも本当にいい。特に最後「ミサイルマン」からの怒濤のハードな展開で一気にテンションがあがりました。ヒロトのMC「できるだけみんなに日本語でわかりやすく伝えたいけど、どうしても訳せない言葉がある」「それは、『ロックン・ロール』」何でそんなかっこいいことが言えるのだろう、とただただ感心。

 終了後、kaiser Chiefsを聞きながら休憩。そして、次またグリーンのThe Musicを。実はあんまりMusicは得意ではない。基本的に僕は高音ヴォーカルというのが苦手なのだ。「Take The Long Load And Walk It」で幕を開けると、次々に代表曲を演奏。このバンドはバンドの強固なグルーヴを持っているのでこういうお祭り的な物にはすごく生える。そして、ギター、ベース、ドラム、そしてヴォーカルの絡み合っていく姿というのはロックのダイナミズムを伝えるのには十分であった。

 

 そして、今日のメイン第一弾Coldplay。1曲目は「X&Y」同様、「Square One」。彼らのライヴは2000年のサマソニで一度見ているが、あのときとは比べものにならないほど、ステージに緊張感が漂っている。新作では自分たちのサウンドを完璧に形にしようと試み、それに見事に成功していたが、このライヴでも序盤は見事に隙のないパフォーマンスを見せていた。それが怪しくなってきたのが「Yellow」あたりからで、サビのところでやたらと「Foo Fighters」と言ったり、後に気づいたがデイヴ・グロールの歌まねをしたりしていた。これはクリスとしてはサービスのつもりだったのだろうが、僕としてはかなり引いた。そんなColdplayを僕は見たくない。自分たちの世界を壊すようなことはプロならおふざけでもするべきではないと僕は思う。

 2nd,3rdが中心となっていたが驚くほど彼らは成長していた。「Till Kingdom Come」アコースティックセットでの演奏も素晴らしかった。でも、やはり少々の違和感が残るライヴであった。

 

01. Square One
02. Politik
03. Yellow
04. God Put A Smile
05. Speed Of Sound
06. White Shadows
07. The Scientist
 
08. Til Kingdom Come
09. Don't Panic
10. Clocks
11. Talk
12. In My Place
13. Fix You

 で、グリーンから走って移動しホワイトへ。そう、The poguesを見に。僕が高校生の時に、やけっぱちなロックの魅力をたたえていたバンド。もっとも、やけっぱちなのはシェーン一人であるが。彼の危うさとは対照的にバンドの演奏はしっかりしていて、アイリッシュトラッドに興味を持ったのももちろん彼らの影響である。

 僕がホワイトに着いた時はすでに3曲くらい終了していた。「墜ちた天使」に間に合わなかったのは痛恨であるが、とにかく生きたシェーンを拝めただけでもうれしかった。シェーンはちょっと歌うとすぐ奥ににひっこむ。酒でクビになったのに常に酒とたばこは離さない。歌声もヨレヨレ。呂律も回っていない。でも、ポーグスのファンは、ピンク・フロイドではないが「あなたがそこにいてほしい」と思っているのだ。アンコールにも応えてくれた。最後は「Fiesta」(アンコールかからなかったら、やらないつもりだったのか!)で終了。ホワイトがアイルランドのパブになった瞬間だった。

 



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